マネーフォワードを最後に、2018年に実施されたPOの結果が全て出揃いました。そこで、2018年のデータをまとめてみます。
今年は、昨年よりもPO件数は増えましたが、小粒な銘柄が多かったです。市場からの吸収金額が1,000億円を超えたのは、ヤクルト本社とルネサスエレクトロニクスの2銘柄だけでした。
また、今年は市場全体が軟調だったこともあり、PO実施後の株価がさえない銘柄が多いです。特に、TATERUやRIZAPグループは、今年公募増資を実施していますが、市場でも話題になるくらい株価下落しています。
発行価格と本日(12月21日)の株価と比較すると、TATERUが82.9%、RIZAPグループは77.6%それぞれ下落しています。
(※RIZAPグループは公募増資後、株式分割を行っているので株価を比較する際は注意してください。)
2018年のPO結果まとめ
2018年に発表されたPO(海外募集のみは除く)は111件あり、シャープと歯愛メディカルが中止となったので実施されたのは109件でした。
そのうち、受渡日の始値が公募価格を上回ったケースは71件(勝率は65.1%)、平均騰落率は+0.79%でした。
2017年の勝率は76.0%、平均騰落率は+1.69%でした。
参考記事>>2017年のPOを振り返ってみる。受渡日に最も儲かった銘柄と損した銘柄は?
受渡日の始値で売って儲かったランキング
公募株を受渡日の始値で売って儲かった銘柄上位
銘柄 | 発行売出価格 | 受渡日の始値 | 騰落率 |
朝日インテック | 4,272円 | 5,000円 | +17.0% |
あらた | 5,276円 | 6,030円 | +14.3% |
大同工業 | 1,148円 | 1,260円 | +9.8% |
ヤクルト本社 | 7,032円 | 7,700円 | +9.5% |
インヴィンシブル投資法人 | 45,776円 | 48,950円 | +6.9% |
受渡日の始値で売って損したランキング
公募株を受渡日の始値で売って損した銘柄上位
銘柄 | 発行売出価格 | 受渡日の始値 | 騰落率 |
GMOフィナンシャルホールディングス | 786円 | 678円 | -13.7% |
シグマクシス | 1,432円 | 1,253円 | -12.5% |
ソレイジア・ファーマ | 237円 | 212円 | -10.5% |
田中化学研究所 | 962円 | 867円 | -9.9% |
和田興産 | 992円 | 918円 | -7.5% |
まとめ
今年は、昨年よりも勝率、平均騰落率ともに悪化しました。市況が昨年よりも大幅に悪かったことやPOにおいてはパフォーマンスが相対的に悪い傾向にある小型株のPOが多かったことなどが要因としてあげられます。
また、今年は受渡日の始値が発行売出価格を大幅に下回った銘柄が多くあり、銘柄選択が重要でした。昨年は、5%を超える下落率となった銘柄は4銘柄しかありませんでしたが、今年は11銘柄と3倍近くありました。
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