ツイッターで「高格付けの銘柄は信用であっても利益が得られやすいという実際のデータはあるのでしょうか?」という質問を受けました。
高格付けのリートはパフォーマンスが良いイメージがありましたが、検証していなかったので、今回2017年~2019年のデータを確認してみました。ついでにリートのPOの勝率や平均騰落率についてもまとめています。
※格付けについては、広く取得されている日本格付研究所(JCR)からの格付けを主に利用しています。格付けの定義において、AとAAを比較した場合、AAのほうが高い格付けとなっています。日銀の買い入れ対象となるリートは、AA格相当以上とされています。
最終更新日:2020年1月18日
リートのPOの勝率、平均騰落率
2017年と2018年に実施されたリートのPOは57件あり、そのうち、受渡日の始値が公募価格を上回ったケースは54件(勝率は94.7%)、平均騰落率は+2.4%でした。
2019年だと、リートのPOは30件あり、そのうち、受渡日の始値が公募価格を上回ったケースは28件(勝率は93.3%)、平均騰落率は+3.5%でした。
PO全体でみると、
2017年の勝率は76.0%、平均騰落率は+1.7%、
2018年の勝率は65.1%、平均騰落率は+0.8%
2019年の勝率は72.3%、平均騰落率は+2.1%
だったので、リートの勝率、平均騰落率の高さがわかります。
参考記事>>2017年のPOを振り返ってみる。受渡日に最も儲かった銘柄と損した銘柄は?
参考記事>>2018年のPO結果まとめ、勝率や平均騰落率は?受渡日に最も儲かった銘柄と損した銘柄は?
参考記事>>2019年のPO結果振り返り、受渡日に最も儲かった銘柄と損した銘柄は?
貸借、信用による違い
2017年~2018年の貸借銘柄のリートの勝率は91.4%、平均騰落率は+2.6%、
信用銘柄のリートの勝率は100%、平均騰落率は+2.0%でした。
2019年だと、貸借銘柄のリートの勝率は95.8%、平均騰落率は+4.0%、
信用銘柄のリートの勝率は83.3%、平均騰落率は+1.5%でした。
※信用銘柄は、一般的に空売りできない銘柄のことです。ここでは、貸借銘柄であっても、PO(公募増資・売出)発表日に売り禁になった銘柄及び発表以前から売り禁であった銘柄は信用銘柄として扱っています。
格付けによる違い
AA
2017年~2018年のAA格付けリートの勝率は93.8%、平均騰落率は+2.4%、
AA格付けかつ信用銘柄のリートの勝率は100%、平均騰落率は+2.6% でした。
2019年だと、AA格付けリートの勝率は94.7%、平均騰落率は+3.9%、
AA格付けかつ信用銘柄のリートの勝率は100%、平均騰落率は+3.3% でした。
A
2017年~2018年のA格付けリートの勝率は100%、平均騰落率は+2.8%、
A格付けかつ信用銘柄のリートの勝率は100%、平均騰落率は+2.3% でした。
2019年だと、A格付けリートの勝率は100%、平均騰落率は+3.7%、
A格付けかつ信用銘柄のリートの勝率は100%、平均騰落率は+0.9% でした。
格付け取得なし
2017年~2018年の格付け取得のないリートの勝率は100%、平均騰落率は+1.4% でした。
2019年だと、格付け取得のないリートの勝率は75.0%、平均騰落率は+1.7%、
格付け取得のない信用銘柄のリートの勝率は66.6%、平均騰落率は+0.4% でした。
まとめ
2017年~2019年の結果を見ると、リートのPOへの参加はおススメです。
また、質問を受けていた、高格付けの信用銘柄のリートの結果は、イメージ通り良かったです。
コメント
以前からリートのPOを中心に投資してます。安定して利益がでており、スレ主の分析の通りです。POでゲットしたリート株は次の増資が発表される直前まで安定した価格を維持している様に思っていて、次の増資直前に売りたいのですが、POの間隔は銘柄に依って半年ごととか、1年ごととか一定の傾向があるのでしょうか。
>>村山さん
基本的に傾向はないと思いますが、コンフォリア・レジデンシャル投資法人は毎年同じ時期に公募増資を発表しています。
2月4日は低格付け貸借売り禁のヘルス&メディカル、高格付け信用の三井不動産ロジスティック、高格付け貸借のコンフォリアの3増資銘柄が同日受け渡しとなりました。それぞれの前日値からの値動きは前2者が低下したのに対し、後者は上昇しました。これは売り禁にならなかった貸借銘柄に特徴の値動きなのでしょうか。
>>村山さん
関係ないのではないでしょうか。