前日は、貸借銘柄のPO(公募増資・売出)に参加する理由について書いたので、今日は信用銘柄のPO(公募増資・売出)に参加しない理由について説明します。
結論から言うと、信用銘柄はヘッジできない上、パフォーマンスが悪く儲からないからなのですが、そのあたりを2016年~2021年のデータで確認します。
※信用銘柄は、一般的に空売りできない銘柄のことです。ここでは、貸借銘柄であっても、PO(公募増資・売出)発表日に売り禁になった銘柄及び発表以前から売り禁であった銘柄は信用銘柄として扱っています。
最終更新日2022年1月22日
2016年~2020年の信用銘柄のPO(公募増資・売出)結果分析
2016年の信用銘柄のPO(公募増資・売出)結果分析
2016年の信用銘柄のPO結果をみると、受渡日の始値が発行(売出)価格を上回った割合は54.5%、平均騰落率は+0.1%でした。
2017年の信用銘柄のPO(公募増資・売出)結果分析
2017年の信用銘柄のPO結果をみると、受渡日の始値が発行(売出)価格を上回った割合は59.5%、平均騰落率は+0.3%でした。
2018年の信用銘柄のPO(公募増資・売出)結果分析
2018年の信用銘柄のPO結果をみると、受渡日の始値が発行(売出)価格を上回った割合は51.1%、平均騰落率は-1.3%でした。
2019年の信用銘柄のPO(公募増資・売出)結果分析
2019年の信用銘柄のPO結果をみると、受渡日の始値が発行(売出)価格を上回った割合は45.8%、平均騰落率は-0.5%でした。
2020年の信用銘柄のPO(公募増資・売出)結果分析
2020年の信用銘柄のPO結果をみると、受渡日の始値が発行(売出)価格を上回った割合は43.2%、平均騰落率は-2.9%でした。
2021年の信用銘柄のPO(公募増資・売出)結果分析
2021年の信用銘柄のPO結果をみると、受渡日の始値が発行(売出)価格を上回った割合は42.8%、平均騰落率は-0.9%でした。
貸借銘柄のPO結果と比較してみる
貸借銘柄のPOの場合は、2016年の平均騰落率は+2.8%、2017年の平均騰落率は+2.6%、2018年の平均騰落率は+2.4%、2019年の平均騰落率は+3.6%、2020年の平均騰落率は+1.9%、2020年の平均騰落率は+2.6%だったので、信用銘柄のPOの結果はかなり悪いことがわかります。
参考記事>>貸借銘柄のPO(公募増資・売出)に参加する理由
リートを除外した信用銘柄のPO(公募増資・売出)結果分析
リートの場合は、信用銘柄であってもパフォーマンスが良いことが知られているので、リートを除外した信用銘柄のPO(公募増資・売出)結果をみてみます。
2016年のリートを除いた信用銘柄のPO(公募増資・売出)結果分析
2016年のリートを除いた信用銘柄のPO結果をみると、受渡日の始値が発行(売出)価格を上回った割合は47.8%、平均騰落率は-0.9%でした。
2017年のリートを除いた信用銘柄のPO(公募増資・売出)結果分析
2017年のリートを除いた信用銘柄のPO結果をみると、受渡日の始値が発行(売出)価格を上回った割合は45.2%、平均騰落率は-0.2%でした。
2018年のリートを除いた信用銘柄のPO(公募増資・売出)結果分析
2018年のリートを除いた信用銘柄のPO結果をみると、受渡日の始値が発行(売出)価格を上回った割合は36.1%、平均騰落率は-2.4%でした。
2019年のリートを除いた信用銘柄のPO(公募増資・売出)結果分析
2019年のリートを除いた信用銘柄のPO結果をみると、受渡日の始値が発行(売出)価格を上回った割合は33.3%、平均騰落率は-1.2%でした。
2020年のリートを除いた信用銘柄のPO(公募増資・売出)結果分析
2020年のリートを除いた信用銘柄のPO結果をみると、受渡日の始値が発行(売出)価格を上回った割合は37.5%、平均騰落率は-3.6%でした。
2016年~2020年のどの年もリートを除いた信用銘柄のPOの平均騰落率はマイナスでした。
信用銘柄のPO(公募増資・売出)結果が悪い理由
信用銘柄の場合は、貸借銘柄よりもディスカウント率が大きい傾向があるにも関わらず、冴えない結果になっています。
信用銘柄の場合、基本的に空売りができないので、受渡日に売りが殺到してしまうこと、増資や株式の売出しによる希薄化や需給悪化の影響を株価に織り込み切れず高値で発行(売出)価格が決まってしまうことなどが結果が悪い理由として挙げられます。
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