読者様からコメントで「貸借銘柄の場合は参加予定と書かれておられますが、売り禁の場合は不参加なのでしょうか?」という質問を受けました。
個人的には、売り禁になった場合はできれば参加したくないのですが、2017年以降PO発表後売り禁になった銘柄の勝率や平均騰落率を検証してみます。
最終更新日:2020年1月18日
PO発表後売り禁銘柄の結果
2017年~2018年で、PO発表後に売り禁になり既に受渡日を迎えている銘柄は16銘柄ありました。そのうち、受渡日の始値が発行(売出)価格を上回った銘柄は12銘柄(勝率75.0%)、平均騰落率は+1.4%でした。
2017年の貸借銘柄のPO結果(発表後に売り禁になった銘柄も含んでいます。)は、勝率87.1%、平均騰落率+2.6%だったので、売り禁になるとパフォーマンスが悪くなっています。
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2019年だと、PO発表後に売り禁になった貸借銘柄は10銘柄ありました。そのうち、受渡日の始値が発行(売出)価格を上回った銘柄は10銘柄(勝率83.3%)、平均騰落率は+4.2%でした。
2019年の貸借銘柄のPO結果(発表後に売り禁になった銘柄も含んでいます。)は、勝率87.8%、平均騰落率+3.6%だったので、売り禁になってもパフォーマンスが低下していませんでした。
価格決定前に売り禁になった銘柄の結果
PO発表後売り禁といっても、価格決定前(同日)に売り禁になった銘柄と価格決定後に売り禁になった銘柄の2通りがあります。
価格決定後に売り禁になった銘柄は、価格決定後に株価が上昇したために空売りが増加し売り禁になったとみられ、必然的に受渡日の株価は高くなっています。
そこで、2017年~2018年のPO発表後価格決定前(同日)に売り禁になった銘柄の結果だけを調べてみると、13銘柄あり、そのうち、受渡日の始値が発行(売出)価格を上回った銘柄は9銘柄(勝率69.2%)、平均騰落率は+0.5%でした。
2017年の信用銘柄のPO結果は、勝率59.5%、平均騰落率+0.3%だったので、価格決定前に売り禁になった銘柄は信用銘柄よりは少しいいくらいの結果です。
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2019年は、価格決定後に売り禁になった銘柄はなく、すべてPO発表後価格決定前(同日)に売り禁になった銘柄でした。
まとめ
価格決定前に売り禁になった銘柄の平均騰落率は、思っていたよりも悪かったです。ただ、サンプルが少ないですし、2018年2月に日本株が急落したときに受け渡しを迎えた和田興産が足を引っ張っている部分があります。
和田興産を除くと、勝率75.0%、平均騰落率+1.1%となっています。そのため、現状では売り禁になっても、できれば参加したくないが不参加とするほどではないと考えています。
2020年1月18日追記
2019年は、売り禁になった銘柄のパフォーマンスが非常に良かったです。理由については、わかりませんが、2017年~2018年が下振れしたパフォーマンスだったのかもしれません。2017年~2019年の3年間で計算してみると、平均騰落率は+2.5%となっています。
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