2019年4月4日(木)東証1部上場かんぽ生命保険 (7181)が「株式の売出し」を発表しました。
かんぽ生命保険の親会社である日本郵政を売出人として、海外追加分含め最大1億6,810万株の売出し及び最大1,681万株のオーバーアロットメントによる売出しを実施します。金額にして4,501億円規模の売出です。(※4月4日終値で計算)国内の主幹事は大和証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、JPモルガン証券及びみずほ証券です。売出価格等の決定日は、4月15日(月) から4月17日(水)までのいずれかの日を予定しています。
また、かんぽ生命保険は、売出しに伴う株式需給への影響を緩和する目的で自己株式の取得を行うことも発表しています。東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)により、取得株式の総数5,000万株(発行済株式総数(自己株式を除く。)に対する割合8.3%)、取得価額の総額1,000億円をそれぞれ上限とし、2019年4月8日(月)から2019年4月12日(金)までの期間を取得期間として、自己株式の取得を行います。
自己株式の取得に応じて、売出人が株式の一部を売却した場合、売出株式数が減少することがあります。
今回の売出しにより日本郵政のかんぽ生命保険に対する議決権比率は3分の2程度(売却前89%)まで低下しますが、かんぽ生命保険が日本郵政の連結子会社であることに変更はありません。
なお、かんぽ生命保険株式は、売り禁銘柄に指定されました。( 4月5日(約定日)~)
4月8日追記
本日、かんぽ生命保険は3,741万の自己株式の取得を行い、売り出し人である日本郵政がそれに応じ3,459万株を売却したため売り出し株数が変更になりました。
売出株式 1億6,810万株→1億3,667万株
オーバーアロットメントによる売出し株式 1,681万株→1,373万株
4月15日追記
かんぽ生命保険の売出価格は1株につき2,375 円、受渡日は4月23日(火)に決まりました。
今年のPOで初めて仮条件の下限で売出価格が決まりました。そこで、過去の仮条件下限で決まったPOを調べてみました。
発行売出価格が下限で決まったPO結果一覧、仮条件の下限決定は単純にお得と言えるのか?
■公募・売出し(PO)情報
銘柄名 | かんぽ生命保険 |
コード番号 | 7181 |
上場市場 | 東証1部 |
新株発行 | 0株 |
売出株数 | 168,108,700株 国内112,608,700株 海外48,260,900株 海外追加分最大7,239,100株 |
売出株数(変更後) | 136,670,900株 国内91,550,000株 海外39,235,600株 海外追加分最大5,885,300株 |
OA売出 | 16,891,300株 |
OA売出(変更後) | 13,732,400株 |
合計 | 185,000,000株 |
合計(変更後) | 150,403,300株 |
希薄化 | 0% |
自己株式を除いた発行済み株式総数に対する売出株数の割合 | 30.8% |
自己株式を除いた発行済み株式総数に対する売出株数の割合(変更後) | 26.7% |
仮条件 | 2.0% ~ 4.0% ディスカウント |
売出価格決定日 | 4月15日(月) ~4月17日(水)のいずれかの日に決定 |
条件決定日 | 4月15日(月) |
売出価格(ディスカウント率 ) | 2,375 円(4.00%) |
受渡予定日 | 4月23日(火) ~4月25日(木)のいずれかの日 |
受渡日 | 4月23日(火) |
受渡日始値(売出価格比) | 2,204円(-7.2%) |
売出人 | 日本郵政 |
■幹事
証券会社名 | |
主幹事 | 大和証券 |
主幹事 | 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 |
主幹事 | JPモルガン証券 |
主幹事 | みずほ証券 |
引受人 | 野村證券 |
引受人 | SMBC日興証券 |
引受人 | SBI証券 |
引受人 | マネックス証券 |
※auカブコム証券からも申込可能となりました。(4月4日追記)
■企業情報
事業内容 | 生保最大級。簡易、小口で販売は郵便局ネットワーク軸。女性と中高年層基盤。第一生命と提携 |
信用/貸借 | 貸借(売り禁) |
株主優待 | なし |
■投資指標
2019年4月4日時点
株価 | 2,433円 |
時価総額 | 1兆4,598億円 |
PER | 13.1倍 |
PBR | 0.77倍 |
配当利回り | 2.96% |
■2015年のIPO時の結果
売出価格:2,200円
初値:2,929円
■かんぽ生命保険のPO評価(管理人の参加について)
かんぽ生命保険が株式売出しを発表しました。1株利益の希薄化はありませんが株式需給の悪化が懸念されます。自己株式の取得による売出し株数の減少を考慮しても発行済株式総数の2割を超える売出しとなり、日本郵政の保有比率が高く浮動株が少なかったこともあり影響は大きそうです。
自己株式の取得は任天堂の売出しの時と異なり、すべて立会外の買い付けで市場での買い付けは行われません。
POについては、大型の貸借銘柄だったのですが、即日売り禁となり売り出し株数も多いので不参加の予定です。
ネット証券だと、大和証券(主幹事)、みずほ証券(主幹事)、野村證券、SMBC日興証券、SBI証券 、マネックス証券、auカブコム証券から申し込み可能となっています。
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