PBR1倍割れの銘柄の増資がダメな理由

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昨日、公募増資を発表したたけびし (7510)が昨日時点でPBR0.84倍とPBR1倍を久しぶりに大きく下回る銘柄でした。

日本の上場企業はPBR1倍割れの企業が多いと言われていますが、PBR1倍割れで公募増資を行う企業は少ないです。

そこで、PBR1倍割れの銘柄の増資がダメな理由を説明します。

調達金額が少ない

例えば、自己資本1億円、発行済み株式数10万株、1株当たり純資産1,000円で、株価2,000円PBR2倍のA社と、株価500円PBR0.5倍のB社があったと仮定して、どちらも1万株の増資を行った場合、PBR2倍のA社の調達金額は、1万株×2000円=2,000万円ですが、PBR0.5倍のB社の調達金額は、1万株×500円=500万円となり、同じ1万株の増資で希薄化率は同じですが、調達金額はPBR0.5倍のB社の方が1,500万円も少なくなってしまいます。

1株当たり純資産が減少する

さらに、先ほどの例での1株当たり純資産を計算してみると、PBR2倍のA社の増資後の自己資本は1.2億円、発行済み株式数は11万株なので、1株当たり純資産は、1.2億円÷11万株=1,091円 となり増資前より1株当たり純資産が増加していますが、PBR0.5倍のB社だと、増資後の自己資本は1.05億円、発行済み株式数は11万株なので、1株当たり純資産は、1.05億円÷11万株=955円 となり増資前より1株当たり純資産が減少してしまいます。

具体的に、2020年3月にPBR0.5倍くらいで公募増資を行ったヤマエ久野 (8108)の1株当たり純資産の推移を見てみると、増資前の2019年3月の1株当たり純資産は2,433円でしたが、増資後の2020年3月の1株当たり純資産は2,224円と黒字だったにもかかわらず大幅に減少しています。

PBR1倍割れの増資は、既存株主からすると1株当たり純資産が減少するため、わざわざ赤字をだすようなもので非常におかしな話です。

まとめ

PBR1倍割れの銘柄の増資のデメリットは、

希薄化率に対して調達金額が少ないこと
1株当たり純資産が減少すること
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